FM430MHz帯コーリニアアンテナ40段 ・ JF1MHN





無指向性のアンテナで利得を稼ぐアンテナを作る。それはコーリニアアンテナであり同軸を交互に接続する簡単な作りのものである。

1/2ラムダの同軸を交互に積み重ねる方法である。最終的にはスターブを使わずに直長のエレメント長で制作する。一ミリ単位が勝負である。しかし誰でもできるようにご紹介します。

必要な段数は?と聞かれても。やるならビッグアンテナであろう。14段以上からだ。10メートルのグラス竿が有るので自慢の一本を作ってみようではないか!

もちろん100ミリワット運用を前提に制作する。5ワットも出力したら田舎のローカル放送局になってしまい聴こえて当たり前、飛んで普通では面白くない。

QRPPでも十分楽しめるアマチュア無線を提案します。

左のロケ地は埼玉県入間郡越生町野末張見晴台。

以下の文章中の赤字小窓をクリックすると拡大写真がみられます。



( アンテナのつぼを探す。 )

アンテナを語る上で基本になる事が1/2波長のダイポールアンテナである。ご存じの通り給電部から送られた電力は水平面に対して放射され、1/2波長のエレメントの導体はプラスのピークとマイナスのピークの電圧分布になる。図に示せば一目瞭然であるがこれを複数個直列に接続することにより高い効率で共振する。

受信性能はエレメントを多くすることにより性能が高くなるが、送信の場合はかなり異なる。不必要な電力放射を抑制しサイドロープの様なものを取り除き電力を一定方向に集中させることが利得をあげる第一歩である。

このようなブロードサイド型のアンテナはエレメント配列に対し直角方向に指向性が発生する。コーリニアアンテナは受信、送信に対してすぐれたアンテナであるが工作に難しい部分があるため敬遠される。


 

コーリニアアンテナ433.00MHz40段となるとかなり長くなる。1/2波長は短縮率を加味して23.6cmとなり、これに段数を乗じたとしても約9.44mになる。7MHz帯の1/4波長に匹敵する長さである。

40段のコーリニアをぶる下げるには特別なポールがいる。市販の物を幾つか検討しドイツ製のDx−Wire社の17段繋ぎのグラスファイバーロッドを選定した。、伸ばしたときに10メートルになり一本に納めると67cmと短くなる。山岳移動に於いて絶対条件となるコンパクトかつ軽量で重量が1.3キロである。

50オームの同軸ケーブルは比較的柔らかく使いやすい3D2Vとするが給電部から15段位までとする。中間部は2.5D2V、上部には1.5D2Vのケーブルを使用した。上部においては風の影響を加味し細く軽くし、風によるアンテナの機能の低下を抑える。

コーリニアアンテナを製作し始めてすでに3年間の時間を費やした。ある時、Sの振れが今までより強いと言われた。その時に発見した事柄であるが、コーリニアアンテナにおいて15段以上長くしても同軸ケーブル(給電線)の損失を考えると30段位では10パーセント以下に高周波の電力が減衰してしまう。

、、、であるならば15段から上のエレメントの長さを短くし仰角を下げ、下から15段位のまでの仰角に上部のエレメントからの偏波を被せて抑圧を加えると下の偏波面の打上角が上部のエレメントからの抑圧により0度近くに下がり垂直方向の偏波の厚みが細く長くなるようだ。

16段目は1ミリカットし23.5ミリ、17段目は23.4ミリ、18段目は23.3ミリとし、さらに上段へ行くにつれてカットし上段の38段目は21.1センチのエレメント長とした。MMANAのアンテナシュミレーションソフトによると1/2波長ダイポールでの考察ではインピーダンス50オーム、周波数を変えず高周波電流を送ると短いエレメントのアンテナの打上角(仰角)が下がる事に注目した結果である。

クリックすると拡大します。 エレメントの接続部分

同軸と菜箸の竹の結び方はアメリカン・ホイッピングと呼び、結ぶのに少しばかり練習がいる。ヨットで舫ロープの先端がばれない様に処理するのに使われている方法で、今の人はライターで溶かして固める事が多い。いろいろな方法があり、パイプを被せるなどの方法もあるが、なるべくエレメントの金属部分を大気にさらす部分があった方が利得につながると考えこのような菜箸の竹を利用した。

細かい寸法等はCQ出版でも出しており、ネットでも各局長さんが紹介しているので参考にしてください。

最後にフィールドでの実験ではかなり飛びが良い。耳も良く繋いでいただいた局長さんから良いレポートを得た。ただし、平地の土手からのもので高地でのレポートは以後山岳移動の時に試みるつもりでいます。

クリックすると拡大します。 VX−3(100ミリワット運用)

最長距離は平成24年7月上旬、さいたま市桜区から三重県志摩市間、約304キロメートル、JR2EIA/2が繋いでくれた。100ミリワットでコーリニア40段で運用59+を得る。当局受信結果は53であった。

もう一つに川越市寺山の入間川の土手からの運用において富士見市の荒川土手サイドでレポートをくれたJH1OZAさんのハンディーでなんと59プラスであった。さらに驚いたことにハンディーのアンテナをコネクターから外しても55程の強い電波を受信すると言ってきた。

最後に山梨県中央市からのQSOである。平地からの運用で富士宮市はあるが今までに中央市は初めてであった。自局は59、相手のOZW局は55の受信であった。奥多摩の山系と大菩薩稜に阻まれブランケットであり今までにない体験をした。

最後に運用で注意が必要な事柄が発生する。7MHz帯やHF帯を運用している局が近くにいると電鍵の打つ音がボソボソと入り耳障りになる。また、フォーンの変調も入りバサバサと邪魔をし混信する。

プラス同じ430MHz帯を運用する局が近くにいるとキュルキュルと変調が入り60K程チャンネルを離さないとやはり混信がはじまる。市民バンドや合法無線と同じスプリアス障害に似た状況である。

VU帯の運用で線路長が10メートルもあると避けられない事がある。他局と300メートル以上は離れたいものだ。ただし、混信交じりの中に相手方の変調はしっかり聞こえるので止むおえない限り離れたい。


( エレメントの接続方法 )

説明しても難しいのでまずは写真で紹介しましょう。以下の小窓をクリックすると拡大します。

クリックすると拡大します。 エレメントの接続@
クリックすると拡大します。 エレメントの接続A
クリックすると拡大します。 エレメントの接続B











クリックすると拡大します。 エレメントの接続C
クリックすると拡大します。 エレメントの接続D
クリックすると拡大します。 エレメントの接続E













( 最後に魂を注入する。 )

教科書通りに完成してもSWRは下がらないのがアンテナ作りの面白い所である。SWRがなかなか下がらないのは1/2波長の非接地アンテナの弱点でもあり電気的に計算した上でエレメントの長さを調節する。

そこで、給電部にスターブを接続し徐々に切り詰める。ある程度希望する周波数の所でSWRが下がり良好になるが満足できない。共振点が幾つもあり本物のヌル点は何処にあるのか迷うだろう。

さらに、あちこちいじり回しせっかくのアンテナが粗大ごみ送りになる。これではアンテナに負荷を与えただけで逆に悪くなることに気付いてほしい。アンテナの長さは波長によって決まっていることになっている。ダイポール1/2波長に共振するのであるが、アンテナ全体を見るとスターブの長さが増えた状態になり。悪影響を与える。 最終的には40段から39段コーリニアに変更する。さらにM型コネクターからBNC型のコネクターに変更した。

クリックすると拡大します。 SWRが1.0

負荷をかけた分をどこかで引かなければならない。そこで給電部の上のエレメントに注目する。スターブに相当する容量のエレメント分を切り落とせばよい。自分の場合は3センチ程も切ってしまう。それでも433.0MHz付近にヌル点が発生しSWRが約1.0を示すようなる。

アンテナの肝(きも)はアンテナの構造や種類にもよるがある程度負荷をかけた(入れた)ほうが良いと言う。まさに安定したSWRで教科書では教えてくれないアマチュアであるが故の知恵である。

世の中面白い物でHF帯では車のボンネットを反射板に見立てて成功しているOMさんもいるくらいである。また、1メートルもあるパラボナアンテナを利用する人もいると思えば7MHz帯でフルサイズの巨大デルターループアンテナで楽しむ者もいる。3年の間にコーリニアのアンテナで1巻100メータ巻の物を3箱も使ってしまった。コーリニアアンテナはこれで完成とする。